了戎

了戎は、鎌倉末期の刀工である。「来国俊」の子、もしくは、弟といわれている。俗名は来次郎といった。十六歳で出家し了戎と号し、僧門刀工となった。十七歳で「綾小路定利」に入門。

作風は、太刀は身幅細く優雅な鍛え、反して短刀は身幅広く堅牢な鍛えとなっている。地鉄は、板目肌に柾目が交り、白気気味である。この白気気味が了戎の特徴である。刃文は。中直刃で小丁子、互の目が交りで小沸がつく。銘は「了戎」、「了戎作」と切る。正和元年、鎌倉幕府の発令により全国の切れ味優秀なる刀剣を書き出した「注進物」には切れ味抜群との注記がある。

剣豪宮本武蔵が佩用し吉岡道場との決闘の場で振るった太刀と伝わっている。代表作は、重要文化財「短刀 銘 了戎」(秋田了戎)個人所蔵、重要文化財「太刀 銘 了戎」島根県物部神社所蔵、特別重要刀剣「刀 銘 了戎」(武蔵了戎)秋水美術館所蔵。

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