三日月宗近

日本刀に造詣が深かった山本兼一という作家がいます。その山本氏が最も品格があって好きだとした刀が「三日月宗近」です。
平安末期の刀で、鉄に潤いがあり、細くて切先が小さくて非常に優雅な造りだと山本氏は絶賛しました。
山本氏の郷里・京都の三条派の始祖であり、「小狐丸」伝説を持つ小鍛冶三条宗近の作で、刃文に三日月の形がみられることからその名がつけられました。

彼は1時間ほどのインタビューの中で何度も「鉄の潤い」という言葉を口にしていたそうです。
「刀は品格を味わうもの」であり、品絡は言葉にはならない。品格としか言いようがない」と山本氏は言っていましたが、日本刀でなければ感じ得ることができない感覚を表す「鉄の潤い」という言葉は、日本万に宿る品格を我々にもわかるように伝えてくれる唯一の言葉なのかもしれません。

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