<天下五剣>

三日月宗近 現存 国宝 天下五剣筆頭みかづきむねちか ◎太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)金梨地菊桐紋蒔絵糸巻太刀拵鞘平安時代の刀工である三条宗近が鍛えた太刀。山城の京三条に住んだ宗近は、銘を「三条」または「宗近」と刻んだ。三日月宗近には「三条」の銘が入っている。宗近は身分なる武士の刀剣を多く制作した名工として知られるが、現存する作品は三日月宗近を含めてわずか五振りしかない。

それと同時に、名刀とされるにふさわしい品格も持ち合わせている。細身の刀姿は根元に近い腰の反りが高く、鋒にむかうにつれてその放物線が直線になってゆく様が優雅である。そして刃文は、刃縁に沿って三日月状の紋様がいくつもかかっており、光にかざすとまるで月が浮かんでいるように見えることから「三日月」という呼び名がついた。

平安時代の合戦は弓が主力であったため、太刀は装飾品としての見栄えの良さも重視されたが、その中でも宗近の美しさは群を抜いている。「名物中の名物」と称されるのも頷けるはなしで、室町時代からいわれ始めた「天下五剣」の筆頭であり、徳川幕府八代将軍・徳川吉宗の命で編纂された「享保名物帳」にも名前が登場する。宗近の柄は失われているが、鞘が現在に伝わっている。この鞘は様式から見て安土桃山時代のさくと考えられており、宗近が時代を越えて多くの武人に愛されたことがわかる。

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