衣川の戦いでは義経ともう一人、日本史の英傑がなくなっている。武蔵坊弁慶。義経に仕える怪力の荒法師だ。
二人の出会いは、京都五条大橋である。以来、弁慶と義経は生死をともにすることになる。衣川の館の戦いでは、大薙刀をふるって応戦したが、無数の矢を受けて、仁王立ちのまま絶命したと伝えられている。
弁慶の愛刀が、「岩融」と呼ばれる薙刀だ。刃の部分だけでも三尺五寸(約106cm)あり、常人が扱うには難しい大きさだとされる。現存していない為詳細は不明だが、岩をも突き通す程の業物であったろうと想像される。