山城伝と備前伝

山城伝は平安時代後期以降、山城地方(京都府南部)で発生した刀匠集団による伝法。天皇や貴族の需要に応えた優雅で美しく上品な作風が特徴。姿は輪反りが美しく、地肌は板目(いため)肌が詰み、地沸(じにえ)が微塵(みじん)について、光を反射し輝く。刃文は小沸が深く、刃中に足が入る。帽子は小丸に形よく返るものが多い。
備前伝は平安時代後期以降、備前地方(岡山県南東部)で発生した刀匠集団による伝法。明治の新々刀期まで続く流派。各時代の流行を取り入れるのがうまく、大いに繁栄した。
姿は茎(なかご)のすぐ上から反りが始まる(腰反りが高い)。地肌は板目に杢目(もくめ)を交えてよく詰み、細かな地沸が厚くついている。また、映りと呼ばれる刃文の影のような働きが出るのも備前伝の特徴とされる。刃縁の粒子は細かく輝く。帽子は乱れ込んで 小丸に返ることが多い。

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