現代に伝わる日本刀が起源の言葉について

日本刀から生まれた言葉はとても多くあります。例えば、目貫(目抜き)通りです。「目貫」とは日本刀の柄にあるもので、鮫皮と柄巻紐の間に巻き込まれている、3㎝ほどの小さな金具のことを指します。刀の外装を整えるとともに、柄を握った際に手だまりをよくするなど重要な役割を果たすため、刀の中心線に正確に巻き込まれています。この中心線のことを目貫通りと呼んでいるのです。これが起源となり町の中心をまっすぐに走る繁華街を「目貫通り」と呼ぶようになりました。また、「反りが合わない」という言葉も現在でもよくつかわれています。これはもともと、刀身とこれを収める鞘が合致しないことを表現した語であり、現代では主に人間関係を表す場合に使用されています。ただ、まったく合わない人に対しては使用されず、一見うまくいっているようだけど、微妙な違和感がある場合やなんとなく関係がすんなりといかないとき、「なんとなく反りが合わない」というような使い方をしています。次に、「鍔ぜり合い」という言葉の起源は斬り合いです。実戦ともなれば頭に血がのぼって無我夢中になり、お互いの鍔と鍔がぶつかり合うくらいの接近戦になりやすいです。このような情景から、試合などで力が措抗し接戦になることを「鍔迫り合い」と呼ぶようになりました。ほかに「切羽詰まる」「土壇場」「焼きを入れる」「折り紙付き」などがあります。言葉の起源は様々ですが、このように武士や刀から、現在の生活では違う場面で使用しているということに、昔と現在のつながりを実感することができます。昔特徴です現在では生活様式や常識等が異なっているにも関わらず、共通点があるという点で、同じ日本であるという自覚が芽生えてきます。歴史があるから、今現在の日本が成り立っているということが、刀からも実感でき、歴史の大切さを学べると言えるでしょう。

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